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日本フランス語学会第314回例会

日時: 2017年6月17日(土) 15:00-18:00
会場: 早稲田大学文学学術院 (戸山キャンパス)33号館16階第10会議室

(1) 西脇 沙織 (フランス国立パリ社会科学高等研究院博士課程修了)

「命題的現象と発話事象的現象:アイロニーを例として」

司会: 酒井 智宏 (早稲田大学)

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(1) 西脇 沙織 (フランス国立パリ社会科学高等研究院博士課程修了)「命題的現象と発話事象的現象:アイロニーを例として」

一般に,発話の意味は命題 (proposition, contenu propositionnel, contenu) と命題以外の要素,いわゆる発話事象 (énonciation, contenu énonciatif, attitude) の2部門に分かたれる.従来,アイロニーは発話事象の性質によって生じる発話事象的現象だとされてきた.本発表では,アイロニーを命題の性質によって生じる命題的現象として捉え直す.具体的には,アイロニー発話における起源 (origine, source) の問題を扱い,アイロニー発話の命題は話者以外の誰かによって構想されるというSperber & Wilson (1978) の説明,話者自身によって構想されるというDucrot (2010) の説明に対して,アイロニー発話の命題は他者によって構想されることも,発話者自身によって構想されることもあることを示す.それに基づいて,命題の起源はアイロニー成立に直接的な関係はなく,同一の対象が言語的に2度, 相反する2つの方法で記述されるという命題そのものの性質のみがアイロニー成立を可能にすることを述べる.

参考文献
DUCROT, O. (2010), “Ironie et négation”, V. ATAYAN, U. WIENEN. (eds), Ironie et un peu plus. Hommage à Oswald Ducrot pour son 80ème anniversaire, Frankfurt am Main, Peter Lang, 169-181.

SPERBER, D. & D.WILSON (1978), “Les ironies comme mentions”, Poétique, 36, 399-412.

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