お ぼ え が き

まえの記事 つぎの記事
 広島県府中町立府中緑ヶ丘中学校で、昨年12月、ほかの生徒の非行記録を理由にして高校受験の推薦を拒否した教員のせいで、生徒が自殺していたという。
 自殺した生徒の無念はいかばかりだったことか。将来をになう若いひとを、このように粗雑に扱い、自殺に追い込むのは、教員の名にあたいしないばかりか、殺人者も同然だ。
 生徒の失われた長い人生を思うと、(1)誤った記録をつけた、生徒が1年のときの担任教員、(2)ぬれぎぬを着せた、生徒が3年のときの担任教員、(3)校長、の3人がそろって自殺しようとも、あがなうことはできない、とポリティカル・コレクトネスに反することを言いたくなる。わたしも教員のはしくれだからこそ、あえてそう言いたくなるのだ。

 http://mainichi.jp/articles/20160309/ddn/041/040/012000c
 からの引用:

広島・府中町の中3自殺
ぬれぎぬで推薦拒否 学校側、別人の万引き誤記


毎日新聞2016年3月9日 大阪朝刊

 広島県府中町で昨年12月、町立府中緑ケ丘中3年の男子生徒(当時15歳)が自殺した問題で、別生徒の万引き行為を学校が男子生徒の行為と誤って資料に記録し、この資料に基づく非行行為を理由に「志望校への推薦は認められない」と男子生徒に伝えていたことが8日、分かった。誤った記録は生徒が1年生の時、学校が内部の会議用資料として作成し、その後誤りが判明したが、原本記録は訂正されないまま進路指導に使われたという。

 町教委によると、男子生徒は第1志望の公立高校とともに、第2志望で校長推薦が必要な専願による私立高校の受験を希望していた。女性担任は昨年11月中旬の進路指導で、1年時に万引きしたと誤って記載された記録に基づき、男子生徒に「推薦できない」と説明した。推薦基準は校長の判断で昨年11月に改定され、非行行為の勘案対象はそれまでの3年時のみから1年生以降となった。

 進路指導は同12月8日まで計5回実施。他の受験方法を生徒に勧め、保護者にも伝えるように指導したという。その際、担任は万引きについて生徒に尋ねたが「生徒から否定するような発言はなかったので、確認が取れたと思った」と学校の聞き取りで説明したという。

 記録は生徒指導の会議用で、指導教員が、会議資料を作成する別の教員に万引きをした生徒の名前を口頭で伝えた際、男子生徒の名前を誤って記載したという。会議で誤記載に気付いてその場で訂正したが、記録の内容を保存した電子データは修正されなかった。

 同12月8日には三者面談による進路指導が予定されていたが男子生徒は現れず、父親が自宅で倒れているのを発見し、その後に死亡が確認された。自宅には自殺をほのめかす書き置きがあったという。記録が誤っていたことも分かり、遺族に伝えた。

 今月8日夜に記者会見した同町の高杉良知教育長は、「誤った記録に基づいて専願での受験はできないとの指導がなされていた。学校内だけで考えると他の要因は見当たらず、(自殺の)原因になったと思っている」と述べた。同校の坂元弘校長は「本来なら推薦できるにもかかわらず、できないと伝えて生徒を大変苦しめた」と陳謝した。

 町教委は8日夜に保護者会を開き、生徒の自殺の経緯などについて説明し謝罪した。出席した保護者によると、保護者からは「生徒のSOSに気付かなかったのか」などの質問が相次いだという。