お ぼ え が き

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コルシカにかんする全般的なオベンキョーの一環で、(めぼしい本はもう読んだので、やや周辺的なところにも手をのばして)大岡昇平『コルシカ紀行』を読んでいます。
大岡の紀行文は余談が多いので、ときどき、なにやら身につまされる発言が見られます。たとえば、

作家における職業意識とは、まず自分の書くものに責任を取らないことから出発する。これが豊かな継続的生産を許すのである」(全集第15巻、pp.418-419)

というのは、論文の本数ばかりを増やすようにもとめられている最近の研究者にもあてはまりそうですし、

日本も、極東の政治的経済的条件の中で、狡猾に動き回れば、繁栄の中の怠惰に向って上昇することができるかもしれない。たしかにあまり見端のよい恰好ではないが、無意味な軍事的拡張によって、二度目の亡国の悲しみを味わうよりはましかもしれない」(同p.418)

というくだりは、戦争法案を通したばかりの政治家たちに読みきかせたいです。